ピンキーの事件簿 その弐

これはピンキーの事件簿の中でも、最大の危機でした。

阪神淡路大震災では交通機関がズタズタになり、大阪に勤めていた私たちは通勤の為、京都の実家へ身を寄せました。勿論ピンキーも一緒です。

ある日のこと、夕方帰ってきた私に、お義母さんが「えらいことやねん。ピンキーがいなくなったよ!」と告げたのです。聞けば昼前に玄関を開けて出て行ったというのです。驚愕した私は何はともあれそこら中を探し回りました。しかし見つかりません。泣きたい気持ちになりました。実際泣きながら探していました。ピンキーにとって見知らぬ土地。どこをさまよってるんだろうと、心配で胸が張り裂けそうでした。ふと見ると交番が!誰もいなかったのですが電話があったので藁をも掴む気持ちで受話器を・・・。
「もしもし、犬がいなくなったんですが」
「どんな犬ですか?」
「黒色のハスキーです。目は片方ずつ違ってます。」
「首輪の色は?」
「黒です。」
「それなら届出がありますよ。」
「ほ・ほんとうですか!すぐ行きます。」
「いや、保護してくれた方が預かって下さってますわ。」
なんと、線路を歩いてあわや汽車に轢かれそうなところを助けてくださったとか。しかも飼い主さんが見つかるまで預かりますと言われたそうです。
住所を聞いたら、ほんの数メートル先のクリーニング店。
狂喜乱舞してクリーニング店に行ったのですが、店は閉まっています。
呼び鈴を押しても誰も出てこない(-_-;)
仕方ないので時間を置いてまた訪問。しかし留守(+_+)。これを何回繰り返したことか。
ピンキーに早く会いたいと思うのになかなか会えず、時間が過ぎるのがあんなに遅く感じたことはありませんでした。
結局夜中の12時を回ってやっと家に灯りが!
非常識とは思いましたが我慢できません。呼び鈴を!
事情を話して会わせてもらう事に。会うまではもし違ってたらどうしようと不安な気持ちでいっぱいでした。
2階から降りてきたのは、確かに愛しのピンキー(^_^)v
さぞかし喜んで飛びつくだろうな~と思ってたのですが、想像に反して階段を降りたピンキーは私の横を通って表に。
何してるねん、早く帰るで~と言う感じで振り返って私を見るのでした。
家に着くとスタスタと2階に上がり、敷いてあったお布団にもぐりこんでそのまま寝てしまいました。
思うに、迷子になったのが照れくさかったのか、はたまたいつまでも迎えがなかったのを怒ってたのか(?_?)
多分前者であろうと思っています。
それ以来迷子札を付けるようになりましたぁ^_^;

閑やな~(ドアップ) だっこ②


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